マンガの話がしたい

食道炎になってすごーく暇なので、好きなマンガを紹介します。あたしONE PIECEとかHUNTER×HUNTERとか王道の漫画を全然読んだことがなくて、マンガが好きって言うのをいつもためらってしまうんだけど、マンガが好きです。今ここで初めて好きな漫画への愛を綴ろうと思う。載せ忘れてるやつも絶対あるけど、とりあえず今思いつく限り。

 

アラベスク山岸涼子

・おいピータン!(伊藤理佐

・サタニックスイート(ヤマシタトモコ

・にいちゃん(はらだ)

はいからさんが通る大和和紀

・キャンディ♡キャンディ(いがらしゆみこ

フラワーオブライフよしながふみ

西洋骨董洋菓子店よしながふみ

銀の匙荒川弘

ハチミツとクローバー羽海野チカ

鼻下長紳士回顧録安野モヨコ

・蝶のみちゆき(高浜寛

SLAM DUNK井上雄彦

・凪のお暇(コナリミサト)

ブラック・ジャック手塚治虫

・1日外出録ハンチョウ(原作:萩原天晴・漫画:上原求、新井和也)

 

こうして挙げてみると、私の好きな漫画には3つのパターンがある。それは、

1.ロマンがある

2.ご飯が美味しそうに描かれている

3.作者の観察眼がすごい

である。例えば『アラベスク』や『鼻下長紳士回顧録』、『蝶のみちゆき』は最初から最後までどこを切り取っても画が美しくて、セリフもカッコよくて、物語にロマンがある。『キャンディ・キャンディ』『はいからさんが通る』はザ少女漫画って感じで、こんな王子様いないよ!って思うけど、それがいい。宝塚ではいからさんの舞台を観たとき、幕開いた瞬間に号泣した。『ブラック・ジャック』『SLAM DUNK』も同じで、読みながらBJや三井のカッコよさに痺れるあの感じが好き。めっちゃ詳しいわけではないので上には載せていないけど、藤本タツキ先生の作品も映画みたいなカッコよさがあると思う。

そして私が大好きなのは、ごはんが美味しそうな漫画。グルメ漫画も好きなんだけど、食が主軸じゃないのに食事シーンが丁寧に描かれてる漫画って100%名作だと思う。羽海野チカ先生や荒川弘先生、よしながふみ先生はもう殿堂入りで大好き。どの作品も素晴らしすぎて語り尽くせないので割愛します。

食べ物の描写が上手な漫画家さんって総じて観察眼もかなり鋭くて、「私たちがうっすら感じてはいるけど言葉にできないこと」や「たしかに人生のどこかにあったけど忘れてしまっていた瞬間や気持ち」を描くのが本当にうまい。そうやねん!そうやねん!の連続。最近で感動したのは『ハンチョウ』と『凪のお暇』。『ハンチョウ』はカイジのスピンオフ作品で、帝愛の地下で労働をしているハンチョウたちが1日だけ外出して美味しい食事や遊びに奔走する話。スピンオフ漫画って二次創作みたいなイメージだったけどこれは作者のセンスがずば抜けていて、カイジを読んでなくてもめちゃめちゃ面白い。『凪のお暇』は、最初ふつうの恋愛漫画かなぁと思ってたけど全然違った。だいたいの物語って善人と悪人がハッキリ分かれてるけど(「美形の主人公が可哀想な目にあう」とか)、凪のお暇はちゃんと色んな視点から人間関係を描いていて、誰が被害者、誰が加害者、で終わらないのが作者の腕だなぁと思った。そしてちゃんと主人公は一進一退しながら自分の力で人生を切り開いていってて、それも感動する。私もゴンさんと即席ピクニックしたいし凪ちゃんのご飯食べたいなー。

ヤマシタトモコ先生は『異国日記』も大好きなんだけど、『サタニックスイート』って短編集に入ってる塾講師と女子高生の話が好き。『にいちゃん』はエグめのBLで美味しそうなご飯は一切出てこないけど笑、絶望だったり執着だったり愛情だったり、人の奥底にある感情の解像度があまりにも高くてすごい。BLという枠を超えて評価されるべき作品だと思う。

おいピータン!!』は人生で一番好きなマンガかも。終始ゆるい画風で、それぞれの日常で悩んでいる人たちが、美味しいご飯を食べてやるせない気持ちを晴らしたり誰かと分かり合ったりするショートストーリー集。美人やイケメンはあまり出てこなくて、あくまでふつうの人たちのふつうの物語なんだけど、どの話にも味があって、読み終わった後はいつも生きよう!!って思える。大森さんみたいな人が本当の良い男なんだろうな〜。

 

<番外編> 美味しんぼ

美味しんぼは「好きなマンガ」とはちょっと違うけど、美味しんぼの話をするのは好き。

みんなの推しマンガも教えてください。

 

フェスに行き、体を壊す

こないだの土日に、パリのロックフェス Rock en Seineに友達と行ってきました。一番かっこよかったのはヤーヤーヤーズ!演奏も演出もMCも超イケてた。かっこよかったな〜。小さいステージでやってたAda Odaっていうバンドもよかった。

ADA ODA - UN AMORE DEBOLE (Official) - YouTube

他にもL'impératriceってフランスのバンドやケミカルブラザーズもちょっと観ることができた。トリのケミカルブラザーズが終わってさあ帰ろうと思ったら、隣のステージでDJがテクノを流し始めた。一緒にいた友達はドイツ人で(ドイツ人はテクノが大好きらしい)「German spirits!」と言って踊り出してしまった。この友達は去年うちの大学に交換留学に来てて、日本でも寮のクラブイベントに一緒に行ったことがあるんだけど、本当に彼女のダンスはすごい。上手いとかセクシーとかじゃなくて、狂気。彼女によると、真顔でめちゃくちゃ変な動きをするのがテクノの流儀らしい。反復横跳びのような動きをする彼女を横目に私も音楽に乗ってとりあえず動いてみたが、しばらく経っても友達のダンスは止まる気配がない。動きのレパートリーもなくなってくるし、もはや筋トレだし、いつまでやるねん!!!と思っていたら友達がふと時計を見て寂しそうに言った。「もう12時だね…」これは帰れる!と思って少し安心したら、「DJが終わるまであと20分しかない…今から全力で20分間踊ろうね!」と笑顔で言われた。しかし日本人なので帰るとは言えずそのまま踊り続け、結局1時間くらい踊った。めっちゃ疲れたけど楽しかった。音楽もライブも好きだけどなんか拳を上げたり踊ったりするのって恥ずかしくて、ライブハウスに行ってもいつも端っこにいてしまうけど、音楽に乗って踊るって気持ちいいんだなぁと思った。友達とテクノに感謝です。この日は2時くらいに家に着いて、お風呂に入ってすぐ寝た。ベッドに入る前になんとなく胸が苦しい感じがしたけど、気のせいかなーと思ってすぐ眠りについた。

日曜日起きると昼過ぎで、なんか呼吸がしにくい感じがして胃がキリキリした。あれおかしいなーと思いながらシリアルを食べたり横になったりするけど治らない。メイクもヘアセットもまともにできず、夜になってやっと会場に着いたけどやっぱりしんどい。タバコと大麻と香水の匂いが混ざって常に吐きそう。フォールズを観ながら「かっこいい……」と「帰りたい……」が半々くらいだった。結局大トリのストロークスをちょっと観て先に帰ることになってしまい、友達には申し訳なかった。

月曜は授業で発表をする日だったので発表だけしてすぐ家に帰った。そして今日病院に行ったところ、逆流性食道炎だと言われた。胃酸が食べ物を消化できずに逆流して、食道の粘膜がただれてしまったらしい。ストレスたまってないですか?って言われたけど、私の場合はごはんをちゃんと噛まないのが原因な気もする。アホすぎる。ごはんをよく噛んでたらストロークスを最後まで観れてたかもと思うと悔しいけど、仕方ないのでゆっくり休んで治そうと思う。みなさんもストレスはため込みすぎず、ごはんはよく噛んでください。

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天気雨

誰にでも調子の良し悪しはある。何もかも上手く行っているような人が突然つらそうにしていたり、逆にこの間まで死にたいと言っていた人が同期最高!と言って楽しそうな飲み会の写真をあげていたり。その振れ幅は人によるんだろうけど、他人はもちろん自分でもコントロールできない、どうしようもない部分だと思う。

昨日は最悪な気分だったけど、今日はいい日だった。初めてフランス人の友達ができた。その友達と食べたフレンチトーストがすごく美味しかった。信じられないことにフランス語で会話ができた。お母さんが好きって言ってたユーミンのアルバムを聴いて、なんて良い曲なんだろうと思った。ふと元彼のことを思い出したけど珍しくムカつかなくて、きれいな記憶だけ思い浮かんだ。スーパーの強面なお兄さんが優しかった。ショーウィンドウに映る自分が心なしか可愛く思えた。弟とおばあちゃんからLINEが来て嬉しかった。帰ってツイッターを見てもいつもみたいにイヤな気分にならなかった。卵とトマトとブルサンチーズを炒めて食べたら美味しかった。明日も明後日も頑張ろうと思った。こんな気持ちがずっと続いたらいいな〜。

‎荒井由実の"グッド・ラック・アンド・グッドバイ"をApple Musicで

 

無駄も大事

先月は授業が毎日5時間あったけど、それは実は学校の手違いで実は私は1日2時間のコースだったらしい。そんなことある?ただでさえ時間があるのにさらに時間ができたので、今週はパリの学生街であるソルボンヌのあたりを歩いたり、植物園に行ったり、家の近くのマルシェに行ってみたりした。バカンス期間だからかどこも人が減っていて静かだった。

Kindleで本を何冊か読んだ。1冊目は『パリの砂漠、東京の蜃気楼』(金原ひとみ)。2冊目は『パリの国連で夢を食う』(川内有緒)、3冊目は『深夜特急6』(沢木耕太郎)。特に意図してなかったけどパリにゆかりのある作品ばかり読んでた。どの作品も、小さな思いつきや予想しない出会いで人生の進行方向が変わっていく瞬間が書かれていて面白かった。これは飲み屋さんで働くのが好きな理由でもあるけど、意図せずも変な人生になってしまった人の話を聞いたり読んだりするのって楽しい。深夜特急は受験生のころ図書館で読んで、あまりにも面白くて勉強そっちのけで全巻一気読みしてしまった思い出がある。当時、第一志望の大学に合格するには学力が足りず、かつ怠惰だったので、私は他の人よりも長く机に向かう必要があった。そこでスマホを家に置いて自習室に出来るだけ滞在するようにしたけど、それでも集中できなくて図書館の本や電子辞書に入ってる青空文庫を読みまくってた。大義名分のもと勉強から逃げられる娯楽がそれしかなかったのだ。YouTubeよりも活字を追う方が脳の知的な部分を使っている感覚があって、罪悪感もいくらかマシだった。大学受験という目標には全く関係ない無駄な時間だったけど、今思ったら旅行記を読んだことが遠くへ行くことの憧れになっていたり、小説で読んだ一節が記憶に残って、あるとき何かの思考と繋がったりして、ぜんぜん無駄ではなかったのかもしれない。皆みたいに友達作らなきゃ、何かをしなきゃという焦りで躍起になってたけど、今の余白が後々の伏線回収になるかもしれないし、何にもならなくてもそれはそれで話のネタになるし、あんまり焦らなくてもいいのかも…と思った。とりあえずは、真面目に勉強します。

パリは燃えている?

警官がアフリカ系の少年を射殺した件で暴動のニュースが絶えないけど、今のところは平和な毎日を送っている。各地で事件に直接関係のない店が襲撃されたり市役所が放火されたりと大変そう。単に移民政策が原因かというとそうではないらしく、複雑な問題らしい。

私といえばいまだに友達ができてません。この間はBumbleで知り合った女の子と会うことになったけど、待ち合わせ場所に行ったらちょうど来れなくなったという連絡が来て、結局ひとりでセーズというビールのパイントを2杯飲んで終わった。バーテンダーのお兄さんが気遣って色々話しかけてくれてありがたかった。

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↑情けなさすぎる母とのライン

パリの人は冷たいと聞いていたけどそんなこともなかった。この間も郵便局に手紙を出しに行ったら窓口のマダムがとても優しかった。私の拙いフランス語を聞き取ろうとしてくれて、封筒に描いたイラストを見て「可愛いね、私も猫が好きだよ」って言ってくれて、犬だけど…と思いつつもちょっと泣きそうになった。単純だけど、優しくされると自分も人に優しくしようと思える。毎日あまり変わりないけど、なんとか元気でやってます。

夏至の日と音楽祭

22日目

パリでは毎年夏至の日にfête de la musiqueという入場無料の音楽祭がオールナイトで開催される。一年で一番長く外で音楽を楽しめる日にみんなで夏の到来を祝うという意味が込められてるらしい。昨日はまさにその日で、パリ中で音楽が鳴ってた。子供が教会の前で合唱してたり、地下鉄で急に打楽器のセッションが始まったり、おじさんがカラオケしてたり、学生バンドがニルヴァーナのコピーしてたり、プロの歌手が本気のシャンソンを歌ってたり、それに合わせておじいちゃんおばあちゃんがダンスし始めたり…統一感はまるでないけど一体感があって、人間的で、熊野寮祭や吉田寮祭に似た雰囲気を感じた。誰でも無料で参加できる音楽イベントを、国のプロジェクトとしてこの規模で開催するってすごい粋だと思う。道端でオアシスを熱唱する人たちと、アパートのベランダでタバコを吸いながらそれを眺めるお姉さん、リズムに乗って踊ってる小学生なんか見て、何だかとても感動した日だった。

12日目

学校が終わってすぐ帰宅して洗濯をして、ボーッとして、洗濯物を干して17時。暇すぎ。暇なのにご飯作るのが面倒くさくて、袋麺をゆでて食べた。明らかに体に悪い味がした。寝るにはあまりにも早かったのでベイビー・ドライバーって映画を観た。音楽と映像のシンクロがかっこよくて気持ちよかった。

 

13日目

毎日成長してる気がしてたけど、よく考えたら今やってる内容なんか1回生の授業で習ったことで、今まで何をしてたんだろうと虚しくなった。まあいいか。。

授業が終わってから、ひとりでオペラ座の近くにある日本食スーパーに行った。お醤油とカレーのルーを買った。高かった。街中を歩いていると暴動の影響なのか、高級店のショーウィンドウがバキバキに割れてたりしてびっくりする。

寮に帰ったら管理人のおじちゃんが木の手入れをしてて、さくらんぼをもいで分けてくれた。夜はサラダを作って食べた。

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15日目

今日は学校が終わってから友達とアイスを食べた。1時間でコミュニケーション力を使い果たしてしまってすぐ解散しちゃったけど。毎日早く起きて学校に行って、特に夜遊びすることもなく家に帰って、日が落ちる前に寝てる(6月のフランスは22時くらいまで明るい)。想像してたより地味な生活だけど、なんかとてもいい気持ちで過ごせてる。中高生の時の記憶を辿っても、2週間も続けてこんなに調子がいいことって今までなかった気がする。あたしは今一時的にすごく恵まれた日々を送ってると思う。